
長戸製陶所 杉浦非水 芥子 5寸皿
長戸製陶所の5寸皿です。
芥子の絵柄は、砥部焼で行われている「和紙染」を応用した絵付けによって描かれています。
和紙染は、素焼きした素地の上に、モチーフの形に切り取った和紙を張りそのうえから絵の具を塗ります。そして和紙を剥がし、釉薬をかけて焼成を行う技法です。筆で描くのとは異なり、和紙の繊維の質感が少しだけ残る絵が特徴です。
描かれた芥子 (ケシ) の花は、明治時代の図案家 杉浦非水の絵から引用したもの。赤い絵の具で花弁が染められ、青い絵の具で茎や花芽が描かれています。
和紙染を行い、窯の中で色が定着するという工程を経て、とても深みのある色が生まれます。陶器の凛とした佇まいの中に、とても柔らかいフォルムと芥子の花がとても美しいコップです。
新居祝いや、結婚祝いなど、じっくり大切な時間を過ごしてほしい、そんな想いを届けるプレゼントにも最適です。
お手入れは、普段使いの食器と同じようにスポンジと食器洗い用洗剤をお使いください。現代のライフスタイルを考え、食洗機・電子レンジの使用も可能です。
杉浦非水について
杉浦非水は1897年、愛媛県松山市に生まれ、東京美術学校(東京藝術大学)に進み日本画を学びます。卒業後は、新聞社や企業の意匠図案の製作を行い、近代商業美術の分野を切り開いていきます。晩年には現在の多摩美術大学の初代校長を務め、多方面において日本のグラフィックデザインの礎を築いた人物です。
長戸製陶所 陶彩窯について
「日々の暮らしを大切にていねいに過ごすという想いで、毎日つかうことができるうつわ」をコンセプトに、長戸哲也さん、長戸純子さん、長戸裕夢さんが作陶を行う窯元。愛媛県砥部町五本松にて、青白磁、白磁の作品、普段使いの食器、照明やインテリア、時計など暮らしを彩る作品を制作しています。工房には『ギャラリーtousai』を併設し、作品を展示・販売するほか、砥部焼の制作風景を公開しています。
http://www.tousaigama.com/
砥部焼について
砥部焼(とべやき)は、今から約270年前の江戸時代に誕生した陶磁器の技術です。愛媛県で取れる陶石を材料として磁器を生産しています。砥部焼の技術は、国の伝統的工芸品として、白磁、染付、青磁、天目(鉄釉)の4種類が指定されています。手仕事による美しさと実用性を兼ね揃えた磁器として人気があります。現在も、陶芸家たちにより素材や技法の枠を超え、新たな作品制作が行われています。