日本陶芸の魅力が満載。長戸製陶所《ツバメ蕎麦猪口》そのモダンな使い道

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日本は、縄文時代から続く「陶芸の国」です。

 

これまでどんな時代でも、いつでも陶器や磁器のうつわが、わたしたちの身近な食生活に寄り添ってくれました。

 

なかでも、より実用性をもち、なおかつ私たちの生活により落ち着いたモダンな風を取り入れてくれる陶磁器のうつわは、現代の家庭の食卓にも欠かせないもの。それらの作り手である窯元は、いまや日本全国に見られます。

 

そのなかでもいま注目したいのが、和風のテイストでも、どんな料理にも沿ううつわを制作する〈長戸製陶所〉の窯元『陶彩窯』。「フォルムが美しく、軽く、薄い、丈夫な新しい砥部焼き」をモットーに、繊細な磁器素材でも割れにくく、素朴な風合いで洋食にも和食にもマッチする作品の数々を生み出しています。

 

今回、その『陶彩窯』のうつわのなかでも特に使い勝手のよい「蕎麦猪口」をご紹介。結婚祝いや引っ越し祝い、またどんなご家庭でも普段使いとして活用できる《ツバメ蕎麦猪口》の魅力に迫ります。

 

 

生活にしっくりと馴染むうつわを生み出す【長戸製作所】のあゆみ

 

 

愛媛県を拠点として『陶彩窯』というブランドをもち、一家相伝の窯業を営む〈長戸製陶所〉は、愛媛県の重信川から分岐する砥部川沿に窯を据える、数々の「砥部焼き」の窯元のひとつ。

 

長戸製陶所は、古来の陶芸のユートピアであった朝鮮より伝わる白磁を模した化粧掛けの技法や、青磁の花入れなど、西日本の陶芸のあらゆる伝統を継承しながら、現代の和洋折衷の食卓や、どんな家庭の生活にも見合う、モダンなテイストのうつわを生み出す窯元です。

 

長戸製陶所が生み出すうつわには、愛媛の特産であるみかんを燃して作る草木灰を利用したナチュラルな色彩の「灰釉」や、十数世紀の歴史を誇る「染付」の技法が冴え渡ります。

 

「灰釉」とは、日本陶芸の歴史のなかで多く用いられてきたうわぐすりであり、天然の草木を燃やして作られる灰を原料としたガラス質の陶芸素材。その性質は草木によって異なり、生物由来の材料であるがゆえの奥行きと変化に富んだ質感が特徴。長戸製陶所が使う、愛媛県特産のみかんの灰から作られる灰釉は、みかんの葉が含む微量の銅の作用によるごく薄く鮮やかな水色のカラーリングが目を引きます。

 

「染付(そめつけ)」の技法は、日本画にも使われるコバルトの顔料を用いた鮮やかな群青色で彩なす絵付けの方法です。とりわけ、長戸製陶所が用いている、日本製の和紙を敷いて染付を施す「和紙染」という技法は、愛媛県は西日本が誇る砥部焼き特有のもの。その手作業から製造される、紙の繊維がランダムに並び、切り口のふんわりとする和紙を利用して描かれる「和紙染」では、普通に筆で描く絵柄とは異なった、現代的なフォルムでかつ日本的な柔らかさのある図案となります。

 

長戸製陶所で活動する陶芸家は、長戸哲也をはじめ、長戸順子、長戸裕夢の「長戸家」の誇る作家たち。長戸家は4代続く陶芸一家で、それぞれの代、それぞれの個人が得意な分野を持ち、一辺倒の作風ではない、伝統技法を引き継ぎながらも当代に沿ったモダンな作風で人気を誇っています。

 

長戸製陶所の陶彩窯に併設する「ギャラリーtousai」では、製作されるうつわの数々が常設展示・販売されており、また、それら陶彩窯のうつわは北欧テイストのデザインにもしっくりと来ます。よって、このILOILO LIFE STOREでも取り扱う、西洋うまれのカトラリーにも寄り添ううつわたちでもあるのです。

 

 

北欧テイストにも馴染む長戸製作所のうつわの特質

 

 

長戸製陶所のうつわが、古来の技法を踏襲しつつもなぜ現代の食卓にモダンな彩りを添えられるのかといえば、そのうつわのシンプルなフォルム、そして使い勝手のよい丈夫な素地をもっているからこそ。

 

陶彩窯のうつわを作る長戸製陶所は、数多くの砥部焼きのなかで、また現代の全国各地の「陶芸ブーム」の氾濫に身を置きつつも、奇抜な見た目の作品で人目を引くようなアクションはしません。キンキンギラギラ、目立てば良いという現代陶芸ではなく、ひたむきに生活の根幹を支えるうつわです。

 

シンプルであるからこそ、どんな食卓の感触にも合わせることができるのが、陶彩窯のうつわのすごみ。呉須の染付が施されたシンとした佇まいは、テーブルの上でも激しい主張をすることなく、かつ密かにその存在感をはなちます。

 

 

 

そして、デザインに次いだもうひとつの特徴といえば、その丈夫さ。陶芸家の手作業で作られる薄口のうつわでありながら、食洗機と電子レンジにかけることのできるキリっとした素地の硬さは、欠けにくく強い、家庭の中で永く活躍してくれる主役の器になるでしょう。

 

いまや陶器市などであらゆる陶芸家の作家をリーズナブルに入手できる時代となりましたが、割れにくいうつわとなると案外求めにくいのが、うつわ愛好家の悩みのタネなのではないでしょうか。

 

作家もののうつわは、大切に扱っていても縁がすぐに欠けてしまうことが多いですが、長戸製陶所のうつわはガラスのように焼き締まった硬い素地により、作家ものとしてもとても強か。

 

よって、陶彩窯のうつわは、陶芸コレクターの初心者にも安心のラインナップでもあるのです。

 

 

色々な使い方ができる《ツバメ蕎麦猪口》の活用法

 

 

 

日用のうつわの中でも、最も使い勝手が良いのはなにかといえば、蕎麦猪口です。蕎麦猪口はお蕎麦の麺つゆのうつわとしてももちろん、その大きさや形状の丁度良さから、お茶やコーヒー、焼酎などのお酒をいただく時のうつわとしても使えます。

 

そのため、結婚祝いや新築祝いのプレゼントにもぴったり。また様々な使い方のできる蕎麦猪口は、ひとり暮らしの方やミニマルな生活にもたいへん役立つでしょう。

 

特に、長戸製陶所の生み出す《ツバメ蕎麦猪口》は、和紙染の技法を使って絵付けがされた、非常にモダンな一品。スッとテーブルから立ち上がるシンプルなフォルム、そしてモダンでやさしい絵柄は、西洋のカトラリーと組み合わせてもしっくりとくる、普段使いで活躍するうつわです。

 

このツバメのデザインは、実は1920年に三越デパートのポスターデザインで知られる杉浦非水の図案をもとにしたもの。これを描くには、和紙をその図案の形に切って素地の上に乗せ、筆で顔料を含ませます。2種類の呉須に赤絵を用いたツバメの絵は、白を基調とした素地に浮かび、ささやかながら大胆なデザイン。

 

 

 

この《ツバメ蕎麦猪口》の絵柄は2種類で、ひとつは1羽のツバメを大柄にあしらったもの、もうひとつは2羽のツバメが並んで飛び立つ図柄。手仕事の雰囲気の残る薄作りの素地に、モダンながらも、どこか昔読んだ絵本のような懐かしさを感じさせます。

 

【長戸製陶所 ツバメ 蕎麦猪口1匹A】

  【長戸製陶所 ツバメ 蕎麦猪口2匹】

 

磁器を基本としたミルク色の素地は冷たすぎず、ツバメの絵柄をより温かみのある下地で迎えています。どんな食事や飲み物を添えても引き立たせることができるでしょう。

 

使い方としては、お蕎麦をいただく時にはもちろん、毎朝や休憩時のコーヒーブレイクや、晩酌の焼酎を注ぐ「ぐい飲み」としてもおすすめ。シンプルなデザインでかつ軽やか、どんな人の手にもぴったりはまる大きさのため、使う人を選びません。

 

また、アイスクリームをよそったり、自家製プリンのうつわとしてもベストマッチするでしょう。まさに、《ツバメ蕎麦猪口》は家庭内で万能のうつわというわけです。

 

 

家庭のささやかな陶芸コレクションに。

 

 

 

流通システムの整った現代では、陶土や磁土、またうわぐすりの原料が日本全国で手に入るため、陶芸家の出自は拠点を持たずに活動する「現代陶芸家」と、古来からの地元に根付いた「窯元」の二手に分かれてきました。

 

なかでも、人工原料を用いて季節を問わず活動できる現代陶芸家と異なり、自然の原料を利用する「窯元」の陶芸家は、今の時代においてだんだんと希少な存在となっています。

 

そのなかで、シンプルでかつモダン、どんな家庭にもしっくりとくる長戸製陶所のうつわは、4代と続く窯元という由緒正しい伝統を継承しつつ、現代の生活シーンに馴染み、なおかつ手に入れやすいラインナップ。

 

数々の窯元が家をたたむなかで、長戸製陶所のうつわは是非とも入手しておきたい一品です。《ツバメ蕎麦猪口》は特に使い勝手が良く、自宅用にも、大切な人への贈り物としても、普段使いのうつわとして家庭に迎えてはいかがでしょうか。

 

Text, Photo: Matsushita Saori

 

【長戸製陶所《ツバメ蕎麦猪口》シリーズ】

サイズ:直径8.5cm×高さ7.5cm

■素材:磁器

■機能:電子レンジ使用:〇、食器洗浄機使用:〇

■注意■一枚一枚手作業の為、色味・サイズに多少の誤差がある場合がございます。

一枚一枚、釉薬の加減で表情が異なります。二つと同じ物のない器です。

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